円を米ドルに交換する場合は為替手数料の優遇サービスがあり金融機関や方法により差が生じます。また、米ドルを円に戻す際にはあまり特典を付けているところがありませんので為替手数料が負担に感じます。米ドルをそのまま活用できれば費用がかかりませんので、その一例を紹介します。
円と米ドルの為替手数料
日本円(以下円と称します)を米ドル(以下ドルと称します)1ドルに交換する場合の為替手数料です。1ドルを円に交換する場合も同じ為替手数料が必要になります。外貨預金で円をドル等外貨に交換する場合は時々キャンペーンを実施し、為替手数料を0にしたり更に安くしたりしています。しかし、ドルを円に交換する場合は為替手数料を安くするようなキャンペーンはあまり見かけません。
- 三菱UFJ銀行(窓口):1円
- 三菱UFJ銀行(インターネットバンキング):25銭
- 楽天証券:25銭
- SBI証券:25銭
- 住信SBIネット銀行:4銭
- FX現引き(SBI証券):0.2銭
市中銀行は三菱UFJ銀行で代表しています。1ドル分を両替するのに窓口では1円、インターネットバンキングでは25銭です。ネット証券の楽天証券とSBI証券も25銭です。
住信SBIネット銀行では1ドル4銭で交換できます。SBI証券を利用している人は、SBI証券口座と住信SBIネット銀行口座で自動スイープ(証券銀行間の口座間で自動入出金かつ利息優遇:ハイブリッド預金といいます)機能がありますので、 ほとんどの方が住信SBIネット銀行でも口座開設していると思います。
そして住信SBIネット銀行の外貨建口座からSBI証券の外貨建口座へは手数料無料で入出金できますので、ドル・円両替はSBI証券よりも住信SBIネット銀行で実施した方が安上がりです。
FX現引き(現受けとも言います)とは、FX(外国為替証拠金取引)で円から米ドルを交換する取引を行い、それを現物の米ドルとして受取る方法です。 FXの手数料相当は、スプレッド(売値と買値の差額)ですが、例えばSBI証券のFXαでは0.2銭です。
FXを利用する方法の特長は次のとおりです。
- 両替手数料に相当するスプレッドが0.2銭と安価に交換できます(SBI証券のFXαの場合)。
- FXで取引した外貨を現引きできる金融機関が限られています。SBI証券は円から米ドル交換だけが対応可能です。
- FXの取引には最低1万通貨単位必要になります(SBI証券のFXαの場合)。例えば1ドル100円とすると最低1万ドルをFXで取引しなければなりませんので、最低1,000,000円(+余力額)を用意しなければなりません。当然ながらレバレッジ無し(レバレッジ=1)で米ドルに交換する必要があります。
- 米ドルから円に現引きする事はできませんので、最終的に円に交換する場合は利用する事ができません。
FXを活用して円を米ドルに交換する方法は次の記事でもまとめていますので、ご覧ください。
海外旅行へ行くときに日本円を外貨に交換しますが、例えば市中銀行では米ドル1ドル当り片道1円交換手数料が取られます。また、ネット証券でも、外国株(ドル建て)や米国MMFを購入する際、米ドル1ドル当り数十銭手数料が取られます。日本円から米ドル[…]
また、SBI証券等の詳細については、次のサイトをご覧ください。
為替手数料の比較
為替手数料が「1円、25銭、4銭、0.2銭」の場合で両替額が1万ドルから10万ドルの為替手数料のグラフを示します。市中銀行窓口の手数料の高さが目立ちます。
上記グラフからいくつか抜粋して手数料を金額で現したのが次の表です。為替手数料が25銭と4銭の場合でも両替額が大きくなると結構差がつきます。このためSBI証券を利用している人は、極力、住信SBIネット銀行でドルに換えてから利用した方が費用を抑えることができます。
これらは、円⇒ドルに両替する場合もドル⇒円に両替する場合も必要な手数料です。ただし、為替手数料0.2銭(FXの現引き)は、ドル⇒円の両替には利用できません。
そうなると一番安いには住信SBIネット銀行の4銭になります。例えば、10万ドルを円に両替する際の為替手数料は4,000円ですので、これでも十分安いと思いますが、これも抑えたいという方は、円に交換しないで米ドルとして利用する方法があります。次に説明します。
運用後の米ドルの活用方法
ここで説明するのは、円⇒ドルに両替して米国株式や米ドル預金等で運用し、その運用結果で得た米ドルを円に交換しないで利用する方法です。
簡単に言えば、海外旅行や海外出張時に海外のATMで自分の住信SBIネット銀行の米ドル口座から直接引き出しすることができる方法です。
住信SBIネット銀行が扱うミライノデビッドというデビット付キャッシュカードがあります。デビッドカードですので、使ったその場で口座からお金が引落されますので預金残高の範囲内で利用ができ使いすぎ防止になります。またクレジットカード機能としては、MastercardブランドとVisaブランドから選択できます。
これにより、ドルはドルとして使いますので両替の手数料が不要になります(現地の銀行によってはATM手数料がかかるかもしれません)。
一例としてSBIホールディングス系でまとめると次のとおりです。
- SBI証券で普通の証券口座の他に米ドル建口座とFX口座も作っておきます。
- 住信SBIネット銀行の口座とSBI証券口座を連携(ハイブリッド預金)しておき、さらに米ドル預金口座を作っておきます。
- 住信SBIネット銀行でデビット付キャッシュカード「ミライノデビッド」を作っておきます。
これで、円⇔ドル両替が1ドル当り4銭で行う事ができ、海外旅行などでミライノデビッドを使って現地ATMから自分の米ドル口座から直接米ドルで支払う事ができるようになります。
なお、ミライノデビッドの詳細については、次のサイトをご覧ください。
さいごに
米ドル円の両替コストと米ドル利用の一例について、まとめてみました。米ドル利用方法では、いろいろな金融機関でサービスがありますが、今回はSBIホールディングス系の利用について主に記載しました。
今はコロナ禍のため、海外旅行のままなりませんがワクチン接種も進み、元の生活に近づいていく事を思います。余計な費用は極力抑えて、早く海外旅行でも満喫したいものですね。
===↓ブログ村ランキングに参加しています。
にほんブログ村