金は安全資産で儲かるのか

金の価格が、新型コロナウィルス感染拡大の中、上昇を続けています。金は実物資産として無価値になることが無いので、昔から一定割合持つべきだといわれていますが、現状の厄災のなかでその真価を発揮しているとも言えます。ただし、金に1点集中をすることは、リスク分散の観点でお勧めできません。金と資産の分散について考えてみたいと思います。

金投資の種類

金に投資する金融商品としては、金地金や金貨の現物を購入する方法から、純金積立、投資信託、ETF(Exchange Traded Funds、上場投資信託)などがあります。

現物を購入する方法は、手元に金が持つことができますが保管のことを考えなければなりません。純金積立は、少額から始めることができますが手数料が高い傾向にあります。投資信託は、比較的少額で手軽に始めることができます。ETFは、 投資信託よりも信託報酬率が低いですが、株式同様にある程度の資金と購入時点での価格リスクがあります。

どれも一長一短がありますが、リスク分散の観点から、まずは手軽に始めることができる投資信託が良いと思います。詳しくは下記の記事をご覧ください。

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金の投資方法

金ETFの最近のチャート

最近の金の価格を代表して日本ETFである「SPDRゴールド・シェア(以下、SPDRとよぶ)」で見てみます。次の図は、SPDRの2年間分の週足チャートです。日本ETFですので、左軸は円数値となっています。なお、この記事のチャートはSBI証券の「HYPER SBI」ツールのものを使わせていただいています。

このチャートでは、2018年9月頃を底に順調に上昇を続け、新型コロナウィルスの影響により2020年3月に大暴落がありましたが、その後4月の一月で急激に値を戻しています。

この時には、世界中で株式も債券も同時安が起きましたので、恐怖を感じた方も多かったのではないかと思います。しかし、その後は上記SPDRのように金は戻しており、米国株式も急激に戻りつつあります。日本株式はまだ少し停滞ぎめですね。これらの動きは次の記事をご覧ください。

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牧草

金ETFと米国株式との比較

金をある程度保有しているのは、安心なのですが、では金は他の資産と比較してそんなに良いのでしょうか。

次の図は、金のSPDR(黄色)、米国株式のNYダウ(青色)、外国為替の米ドル(赤色)を、各々2000年4月を100として相対値を20年間比較したものです。

このチャートから主に次のような事がいえます。

  • 最も値上がりしているものは、2020年3月の大暴落があっても、NYダウであり、金(SPDR)と比較して20年間で約2倍上昇している。
  • 金は、リーマンショック(2008年9月)から約1年間以外は、ほとんど大きく100を切っていない(安定している)。
  • 米ドル(対円)は、±25%の範囲に収まっており、比較的安定している。
  • リーマンショック(2008年9月)の時を見ると、金が先行して上昇し、40%程度上がったところから価格が横ばい(安定)の傾向があるが、NYダウはその後も上昇を続けている。
  • 一般的に金価格と株式価格は逆相関の関係にあると言われるが、最近の傾向では、それが乱れている(SPDRは円価格なので為替の影響を受けるが、それでもあてにならなくなっている)。

金投資で気を付けなければならないこと

金は2000年から2010年を見ると、面白くないほど安定しています。これが、リーマンショック(2008年9月)の暴落からの復活で、暫く上昇を続け、2011年ごろからまた安定期に入っているように見えます。

なにかショックがないと動意しないのでしょうか。今回は新型コロナウィルスのショックが起きましたので、暫く上昇を続けるのでしょうか。そしてその後数年でまた安定期に入るのでしょうか。

一方、NYダウ(米国株式)を見ると大きく下がる時もありますが、上がる時も大きく、結果的に金の2倍程度の上昇をしています。とはいえ、NYダウも2000年から2005年の低迷期があります。

昔から、金は安全資産なので資産の5%~10%程度は保有した方が良いと言われています。たしかに今回確認した期間でのチャートを見ると、リターンは米国株式に劣りますし、配当や利息も付かないので、そんなにおいしいものでも無いことがわかります。しかし、安定感は抜群で、しかも今回のようなショックの際には、金資産があるとある程度は安心して見ていられます。

あらためて、資産の5%~10%程度は金を保有の重みが分かった気がします。

さいごに

私たちが保有している資産は、家族を守り、自分の老後を守る大切な資産です。新型コロナウィルスの影響は、近いうちに終息すると思いますが、今後も予期せぬ厄災が訪れるかもしれません。そのような厄災も一定期間を過ぎると終息するものです。自分の資産を、金資産だけに1点集中することがないように、現金を含めてバランスよく保有し、予期せぬ厄災等があっても家族を守り、持ちこたえるような資産配分を考えたいものです。

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