日本株が復活しつつあるように見えます。米国株に比べて戻りの遅かった日本株も、アフターコロナに向けて少しですが、良い動きを見せるようになってきました。最近の日経平均のチャートを見て概観したいと思います。
新型コロナウィルスと日本株式の状況
日経平均は、新型コロナウィルスの影響で、2020年3月に大暴落しました。この時は、日経平均だけでは無く、世界的に株式ばかりでなく、債券も実物資産である金も米ドルもドラスティックに同時に大きく値を下げました。
その後、4月に入ると米国株式や金が大きく値を戻してきており、このような株式等の戻りは、世界経済復旧の先取りとして期待されている状況です。
一方、日本株式を見ると、株価の急激な戻りはありましたが、米国株式と比較して、戻りが小さく、まだ力強い動きとは程遠い状況でした。しかし、最近少し変わってきたように感じています。
日本では、新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐため、国の緊急事態宣言が続いていますが、GW明けから感染者数の増加が少し抑制されているように見えます。この新型コロナウィルス感染拡大が収まるかもしれないという期待を込めて、日経平均が良い方向に動意するようになってきました。
正に正念場のようですので、ここで気を緩めないで、感染拡大を一気に抑え込んでいき、早く巣ごもりから解放されたいものです。
以下、具体的に日経平均のチャートを見ながら、考察してみたいと思います。
日経平均の動き
日経平均の株価を概観するために、過去5年間と最近の6カ月のチャートを見ていきたいと思います。なお、ここで使うチャートはSBI証券の「HYPER SBI」ツールで作成したものです。
中短期のチャート
次の図は日経平均の5年間の週足チャートです。2020年1月の高値から一気に3月の大暴落となっています。恐怖すら感じますね。しかし、3月下旬の大底から株価が急激に戻ってきています。
次のチャートは、大暴落の発生した3月を拡大した最近6カ月の日足チャートです。3月19日の大暴落の底から、上昇・下降を繰り返し、徐々にチャート下側の支持線のとおり下値を切り上げているのが分かります。
そして上側の支持線は、だいたい半値戻しの水準で、 20,000円ラインですが、暫くはこのラインに頭を抑えられている状態でした。しかし、このラインを先週、今週を超えましたので、さらに下値が切り上がる可能性が出てきました。
次の目標ラインは、3分の2戻しの、約21,500円になります。
次の図は、参考に載せたもので、先の日経平均5年間の週足チャートに上記の上側指示線である20,000円ラインを引いたものです。いかにこの20,000円ラインが重要であるかが分かります。
日経平均が20,000円ラインを安定的に超えるようになり、次は21,500円、23,000円、24,000円と次々と超えていくとほとんどの方は、含み損がなくなっていきますので、更に消費にお金がまわり、経済活動が活発化していきます。
そうなると日経平均最高値更新も夢ではなくなってきます(まだまだ気が早いですね)。
長期指標の比較
日経平均の戻りが期待できそうな兆候が現れているという説明を上記でさせていただきました。では、今の戻りはどの程度なのかを少し長い期間で見てみます。
下記の図は、過去20年間の日経平均(黄色)、NYダウ(青色)、外国為替の米ドル円(赤色)を20年前を100として相対的に比較したチャートです。
これを見ると過去20年間では、NYダウは2008年9月のリーマンショック後、比較的順調に上昇しており、2020年3月の大暴落を経て現在は20年前の2倍以上の株価水準に戻っています。
一方、日経平均は リーマンショック後しばらく低迷していましたが、それでも2012年から上昇トレンドに乗っていました。2018年からまた少し低迷時期になっていますが、長い期間のチャートで見ると今回の暴落でも20年前の株価に比べると上昇していますし、下落も一過性のように見えます。
少し開き直りのような気もしますが、冷静にこの図を眺めて考えてみるのも面白いと思います。
まとめ
日経平均から日本株式の復活の可能性について考えてみました。現状は下落から半値戻しの水準ですが、これが3分の2戻し等いろいろな節目で復活の正しさを検証していかなければなりません。
資産形成を図る上では、投資信託のような間接的に係るものを含めて株式投資は避けて通れないものと考えています。そのためには、長期の視点で、そして時間、地域、種類の分散に心掛けて、うまく付き合っていきたいと考えています。
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