100歳までお金を守るためのシリーズですが、まずはお金を貯める事が先決です。最も手が掛からずに効率的にできるのは、積立て投資信託です。iDeCoやつみたてNISA対応の商品であれば非課税のメリットを得る事ができますし、非対応の銘柄でも良い商品がありますので紹介します。
資産構築の方法
以前、100歳までお金を守るために全体構成に関する記事をまとめました。本稿はその始めの資産を作る内容が書かれています。全体構成については次の記事をご覧ください。
65歳前後を境に老後生活が始まります。それまでは資産構築・運用、その後は取崩しの段階となりますが、保有資産を守るための資産運用の継続、趣味を兼ねた副業、無駄な出費を避けるための適正な税・社会保険料負担やネット金融の活用等を考えます。そして[…]
さて、お金を作る方法としてはいろいろとありますが、長期間実行できる時間があれば、まずは一度設定すると手が掛からずに運用益も期待できる積立投資信託がお勧めです。まずは、ノーロード(売買手数料無料)のインデックス型投資信託を実施し、その後、余裕が生じたらコア・サテライト戦略よろしく、個別株式投資や内外ETFを少し検討するのが良いと思います。
コア・サテライト戦略とは、比較的安全に運用するコア部分と、比較的リスクをとって積極的に運用するサテライト部分に分けて投資を行う考え方です。具体的には、コア部分をインデックス型積立投資信託とし、サテライト部分を個別株等とします。もちろん、コア部分はもっと安定している預貯金や個人向け国債などで運用しても良いです。
インデックス型積立投資信託は長期間実施すると良い利回りになるのですが、一番の問題は退屈だという事です。このため、ある程度慣れてきた後は、少額で個別株式にチャレンジするのも良いと思います。一種のマネーゲームですが、退職後のためにも早いうちから慣れておくのが却って安全に投資ができます。
コア・サテライト戦略で商品を分けると次のとおりです(お勧めのみを紹介します)。
- コア部分
- ノーロード・インデックス型積立投資信託
- 債券型 ※ある程度資産が増えた後
- 国内株式型
- 米国株式型
- 全世界株式型
- 金(ゴールド)
- 個人向け国債 ※ある程度資産が増えた後
- ノーロード・インデックス型積立投資信託
- サテライト部分 ※ある程度資産が増えた後
- 個別株式
- 国内・米国ETF(上場投資信託)
お気に入りの商品
上記のコア・サテライト戦略で分けた商品例をいくつか紹介します(iDeCoやつみたてNISA対象外の商品があり証券会社によっても異なります)。[ ]内の数値は信託報酬率です。
ノーロード・インデックス型積立投資信託
債券型
- eMAXIS Slim 先進国債券インデックス[0.154%]:日本を除く先進国債券に連動。
国内株式型
- PayPay投信 日経インデックス[0.143%]:日経225に連動。
米国株式型
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)[0.0968%]:米国S&P500に連動。
- eMAXIS NASDAQ100インデックス[0.44%]:米国NASDAQ100に連動。※信託報酬率が比較的高いですが、過去の長期成績ではS&P500を上回ります。
全世界株式型
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま(全世界株式))[0.1102%]:日本を含む全世界の株式指数に連動。※全世界の株式に投資するならば、この1本で十分だと思います。国別では米国58.67%、日本6.40%、中国3.48%等です(2022年6月30日基準)。
金(ゴールド)
- SMT ゴールドインデックス・オープン[0.275%]:金価格に連動。ヘッジ有り/ヘッジ無しがあります。
米国ETF
国内ETFはまだ出来高が少ないので米国ETFを紹介します。一般的にETFは信託報酬率が低いですが、個別株式同様に売買手数料が必要です(一部のネット証券では銘柄により手数料無料キャンペーンを実施中)。また、米ドルで購入しますので、円貨⇔米ドルの為替取引手数料が必要で(一部のネット証券では銘柄により買付手数料無料キャンペーンを実施中)。
ある程度資産が増えた段階で、為替の動向を注視しつつ定年後の勉強がてら購入するのも一つの方法です。
米国株式型
- バンガード S&P 500 ETF(VOO)[0.03%]:米国S&P500に連動。
- バンガード トータルストックマーケットETF(VTI)[0.03%]:米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバー。
- インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET(QQQ)[0.20%]:米国NASDAQ100に連動。
全世界株式型
- バンガード トータル ワールド ストックETF(VT)[0.07%]:先進国や新興国市場を含む約47ヵ国の約8,000銘柄で構成。
金(ゴールド)
- SPDRゴールド ミニシェアーズ トラスト(GLDM)[0.18%]:金価格に連動。
- iシェアーズ ゴールド トラスト(IAU)[0.25%]:金価格に連動。
貯まった後の取崩し方法を少し
定年後は年金生活が主となりますが、いままで貯めた資産を無理のない範囲で取崩して生活費に充当することが必要になります。詳細は別の記事で説明するとして、一つの方法としては、投資信託定期売却サービスの活用があります。
投信信託の定期売却サービスとは、積立てた投資信託を指定方法で定期的に売却し(取り崩し)、その金額を受取る事ができるサービスです。
指定方法としては、定額指定(一定額を毎月売却)、期間(定口)指定(期間に応じて計算された一定口数を毎月売却 )、定率指定(一定比率を毎月売却)があり、証券会社により異なります。
詳細は次の記事をご覧ください。
保有する投資信託を定期売却サービスの定率指定を行うことにより、運用しながら長期間にわたり取崩して生活資金等に補填する事ができます。どのような投資信託が良いのかを具体例で示し、投資信託のリターンと運用利回りに応じて年間受取額と年末残高の推移[…]
さいごに
まずは資産構築のための積立投資信託やETF銘柄について説明しました。人により方針が異なりますが、これらの中で、実際に私が購入している積立投資信託は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)[0.0968%]、SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま(全世界株式))[0.1102%]、SMT ゴールドインデックス・オープン[0.275%]です。
全世界株式の中にも米国株式が含まれていますので、この部分は重複しています。リスク分散のためには全世界株式なのでしょうが、世界の株式市場は米国株式市場の動向に強く影響されるので、何が正解かは良く分からない所です。このため、とりあえず半々づつ購入しています。
あまり難しく考えないで、まずは信託報酬率の低い銘柄で(かつ、あまり銘柄数を増やさない)始めてみてはいかがでしょうか。
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