資産を運用しながら取崩す方法、100歳安心設計

退職後は年金が主な収入源になりますが、不足分は定年までに貯めた大切なお金や退職金を取崩して生活費に補填しなければなりません。保有資産をできるだけ長く活かす一つの方法としては投資信託の定期売却サービスがあります。資産を運用しつつ、このサービスを活用する事で安定した生活が確保できそうですので、紹介します。

定年後の不足するお金

総務省の2021年(令和3年)家計調査報告(家計収支編)では、高齢夫婦無職世帯(65歳以上の夫婦のみの無職世帯)の実収入236,576円/月消費支出224,436円/月非消費支出(税金・社会保険料等)30,664円/月、実収入に対する不足金額は18,525円/月となっています。

不足金額は年間で現すと約23万円(≒18,525円/月×12月)です。これを補うために預貯金等を取り崩して生活費に充てなければなりません。これは支出が255,100円/月(=消費支出224,436円/月+非消費支出30,664円/月)となる場合ですので、さらに生活に余裕も持たせたい場合はより多くのお金を取り崩さなければなりません。

また、何があるか分かりませんので、取り崩しても資産減少を極力抑えるため、引き続き、資産運用もも必要です。

なお、家計調査報告の詳細については、次の総務省サイトをご覧ください。

定期売却サービスとは

投信信託の定期売却サービスとは、対象の投資信託の銘柄を指定し、定期的に指定した方法で売却しそのお金を受取る事ができるサービスです。投資信託を定期的に取り崩していきますが、同時に投資信託として運用しますので、資産の延命を図る事ができます

受取りの方法については、ここでは受取り方法の種類が多い楽天証券の例で説明します。

楽天証券は、金額指定、定率指定、期間指定が可能です。各々の概要は次のとおりです。

  • 金額指定:毎月一定額(1,000円以上1円単位)を売却して受取ります。最後に指定解除されるのは、指定売却金額がその時の評価額の50%を上回った場合に解除されます。
  • 定率指定:毎月指定した率(0.1%以上0.1%単位)に相当する口数を売却して受取ります。最後に指定解除されるのは、指定した率で算出された金額が最低売却金額1,000円に満たない場合に解除されます。
  • 期間指定:指定した最終受取年月から求められる当該年月までの売却回数で、保有投資信託口数を等分した口数分を定期的に売却して受取ります。毎月売却される口数は同じですが評価額が変更しますので、毎月の受取額も変動します。証券会社により「口数指定」とも言います。

なお、その他の証券会社では、SBI証券が「金額指定」のみ、フィデリティ証券が「金額指定」と「定率指定」が可能です。証券会社により定期売却サービス自体が無いところや種類が異なるところがありますので、ご自身の利用されている証券会社に応じてご確認ください。

具体的な取崩し方法

次に保有する投資信託の取崩し方法について、一例として3つの方法を説明します。

定期売却サービスの定率指定

楽天証券の定期売却サービス・定率指定で取り崩します。例えば原資1,000万円あれば定率指定3%で30万円/年が受取れます。並行して投資信託の運用が継続していますので、運用利回りが2%であれば原資の減少は-1%(=運用利回り2%-定率指定3%)、運用利回りが3%であれば原資の減少は有りません

デメリットは、運用成績により原資が変動しますので、定率指定で受取れる金額も変わります。このため、必要に応じて1年から数年毎に定率指定を見直すのが良いと思います。

私はこの方法でいこうと考えています。

なお、定期売却サービス・定率指定の効果は次の記事でまとめていますので、ご覧ください。

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自身で定期的に解約

ご自身で必要に応じて一部解約する方法です。定期売却サービス・定率指定が無い場合に実行する方法で、定期的(半年毎・1年毎)に運用成績を横目で見ながら解約率を決めます。

少し面倒ですが、解約方針を明確にされて実施されるのが良いと思います。

定期売却サービスの金額指定と自身で定期的に解約

前述の2つを組合せた方法です。これも定期売却サービス・定率指定が無い場合に実行する方法です。例えば必要な取崩し金額の半分を定期売却サービス・金額指定(又は期間指定)とし、残り半分をご自分で定期的(半年毎・1年毎)に運用成績を横目で見ながら解約率を決めていく方法です。

生活状況や運用成績によっては、ご自身で定期的に解約しなくとも良い時期があるかもしれません(その場合はほっておく)。

さいごに

今回は、100歳まで保有資産を守る方法として投資信託の定期売却サービスを活用した取崩し方法について説明しました。老後の不安は健康とお金の問題です。健康は精進するとしてもお金の問題は、ある程度対策が打てるものです。

人それぞれにいろいろな方法があると思いますが、この記事の方法は比較的単純に実行できるものですので、ご検討の一助になれば幸いです。

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