定年後になると主な収入が年金になりますので、生活費の一部を株式売買益で埋めようと考えている人も多いと思います。年金主体でない人でも株式取引をしていると今年の成績がどのようになっているか気になるのではないでしょうか。そこでこれらの取引をグラフ化するツールをエクセルで作ってみましたので紹介し、提供します。
株式取引で生活費を補填
年金生活に入ると、夫婦2人世帯での生活費として3万円~5万円程度不足するそうです。また厚生労働省資料「令和元年簡易生命表の概況」の「簡易生命表による平均余命(2019年)」 でみると、夫(男性)の寿命は85歳、妻(女性)の寿命は90歳となり、まだまだ長い人生が残っています。
ある程度預貯金等の蓄えがある方でも預貯金等を取り崩すことを考えると不安になりますので、この不足金額を株式取引等で補填しようと思っている人も多いと思います。
そのような場合に株式取引での月々の損益や年間収益が分かると今後の改善点や計画見直し等が立てやすくなりますし、面白みも出てきますので、そのツールを次の説明します。
管理ツールを作成
先にイメージが分かるように結果として自動作成されるグラフとチャートを示します。その後に本来ならばまず入力しなければならないデータ(個別株式売買結果)を示します。
自動的に作成される月毎の実績
次のグラフは、結果として表示される月別の損益(左軸、青棒グラフ)とその累計(右軸、オレンジ色折れ線グラフ)です。
また、次の表は上記グラフの数値と月平均の損益額を算出したものです。月平均を算出しているのは、例えば生活費として補填する目標金額を達成しているかを見るためです。このケースでは、月平均54,761円となっていますので、補填金額目標が5万円/月であれば達成していることになります。
こちらが最初:入力すべき取引内容
上記では先に結果を示しましたが、ここでは入力する取引内容です。
次の表は例として、銘柄を三菱UFJ FG(フィナンシャル・グループ)とし、仮の取引内容で入力・作成したものです。上部ヘッダの青色部分が銘柄・購入時、緑色部分が売却結果の内容です。
各項目を簡単に説明すると次のとおりです。
- 購入時(ヘッダ青色部分)
- 銘柄:取引した株式銘柄で、()の中は証券コードです。
- 買年月:購入した日付です。
- 株数:購入した株数です。三菱UFJ FGの場合は、100株単位の売買となります。
- 買株価:購入した時点の株価です。
- 手数料:購入した株式の手数料です。SBI証券や楽天証券では国内株式等の購入手数料が2023年10月から無料になりました。
- 消費税:手数料が生じた場合の消費税です。
- 購入価格:株数と株価を乗じた値から手数料等を差し引いた金額です。
- 売却時(ヘッダ緑色部分)
- 手取額:売却時の手元に残る金額です。
- 差益:手取額-購入価格です。プラスであれば収益、マイナスであれば損失です。この差益の値を月別(売年月ごとに抽出)に集計していきます。
- 売年月:売却した日付です。
- 株数:売却した株数です。
- 売株価:売却した時点の株価です。
- 売却価格:売却した株数と売株価を乗じた金額です。
- 手数料:売却価格に応じた手数料です。SBI証券や楽天証券では無料です。
- 消費税:手数料に応じた消費税です。
- 他:信用取引等の場合に生じる貸株料等です。
ひな形
次のボタンをクリックするとExcelで作成した株式売買の損益表がダウンロードできます。
簡単な数式等を使っていますので、見ていただければ構成がわかると思いますが、注意点のみを記載します。
- シート「株式売買履歴2024」はひな形、シート「例_株式売買履歴2023」は適当な銘柄を入力した例です。まずはシート「例_株式売買履歴2023」で構成を確認されるのが良いと思います。
- シート内左下の緑色2重枠内に対象年を入力します。この対象年で月別に集計していきます。
- 個別銘柄と集計表とは、年月一致で差益を抽出しています。年月の日付の部分はワイルドカード「*」を使用しています。
- シート「株式売買履歴2024」では、3つしか個別銘柄の入力表を用意していません。個別銘柄を増やす場合は、個別銘柄間に他の個別銘柄表をコピーして挿入すると修正が少なくてすみます。これは、集計表の年月欄にある計算式をご覧になると範囲が設定されているのでわかります。
さいごに
株式売買の収支については、いろいろな方法が考えられますので、今回の内容はその一例です。例えば、月あたりの収益目標を3万円とかにして、株式売買がその収益目標に達したか否かをその都度確認できます。また、年金生活者でなくともご自身の株式売買成績がわかりますので、なんとなく面白いのではないでしょうか。
今回の表は無料でダウンロードできますし、計算式等にプロテクションをかけていませんので変更・拡張する事も容易です(もしも計算式等にミスがあればお許しください)。
なんでも楽しみながら実行していきたいものです。
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