65歳前の在職老齢年金が増えます、平成2年度税制改正

在職老齢年金改正に係る法律が、2020年5月29日に参議院本会議で議決・成立しました。これにより、65歳前の在職老齢年金の支給調整額が28万円から47万円になり、対象者はもらえる年金が増えることになります。この時成立した年金に係る関連の法律を含めて説明します。

在職老齢年金制度とは

在職老齢年金とは、厚生年金の一種で、年金の受給資格がある年齢でもまだ会社等にて働いている方に対して支給される年金のことです。

在職老齢年金は、受給できる年金月額と給与等による総報酬月額相当額の金額により、年金の一部または全額が支給停止されます。また、この計算方法は、60歳から64歳までの方と65歳以上の方で異なります。

詳細は下記をご覧ください。

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60歳以降も引き続き会社に勤め給与を得ている方は、一定年齢になると報酬比例分の老齢厚生年金(在職老齢年金)を受給することができます。この受給額は、受給されている老齢厚生年金の月額と総報酬月額相当額により、年金額が調整されますが、平成31[…]

在職老齢年金

令和2年度税制改正(2020年5月29日成立分)

今回一部改正された法律の正式名は「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」で、5月12日に衆議院本会議成立、5月29日参議院本会議成立となりました。

この中で、定年前後の方に特に関心が高いと思われる在職老齢年金について説明します。

要するに、60歳から64歳まで支給される特別支給の老齢厚生年金について支給調整される額の基準が、28万円から47万円に引き上げられました。

対象者はカットされる額が減り、受給できる年金額が増えることになります。施行は、令和4(2020)年4月1日からです。

以下、説明します。

在職老齢年金の変更

年金額の計算方法と対象者について説明します。

想定される年金額

従来の65歳以上が受給できる年金額計算と同じとすると次のようになります。

ここで、基本月額とは、加給年金額を除いた特別支給の老齢厚生年金等の月額、総報酬月額相当額とは標準報酬月額に年間賞与の1/12を加えた金額です 。

(1)基本月額と総報酬月額相当額との合計が47万円以下の場合
調整後の年金支給月額
=全額支給(支給停止はありません)

(2)基本月額と総報酬月額相当額との合計が47万円を超える場合
調整後の年金支給月額
=基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-47万円)÷2

対象者

この法律の施行は、令和4(2022)年4月1日からです。

また、特別支給の老齢厚生年金は、男性1961年4月1日(女性1966年4月1日)生まれの方までが対象で、この日後に生まれた方には65歳前の支給はありません。

次の表は、特別支給の老齢厚生年金早見表です。例えば、昭和32年4月2日(1957年)生まれの方は、2022年で既に65歳ですので、恩恵は無しです。

女性の方は、男性より5年遅くなっていますので、男性よりもこの改正のメリットを受けることになります。ただし、旧共済年金の方は男性と同じなので無しです。

特別支給の老齢厚生年金

年金のその他の変更

その他の年金に関連する変更を説明します。

年金額毎年定時の改定

65歳以上の在職中の老齢厚生年金受給額は、退職時か70歳時点で年金額を改定していましたが、これを毎年定時に改定されることになりました。働いた分だけ受給できる年金が少し増えます。

受給開始時期の選択肢拡大

現在、年金の受給開始時期は60歳から70歳と選択できますが、これを60歳から75歳の間で選択できるようになりました。

繰下げ受給の場合は、年金額が増えますが、これはカットされた(支給停止部分)として受給される額に対して増やしますので、要注意です。これも下記に記載されていますので、詳細はこちらをご覧ください。

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在職老齢年金

確定拠出年金の加入可能要件の見直し

確定拠出年金(以下DCと称します)の加入可能年齢を、企業型DCは65歳未満から70歳未満に、個人型DC(iDeCo)は60歳未満から65歳未満に引き上がりました。

また、受給開始時期も 60歳から75歳の間で選択できるようになりました 。

さいごに

珍しく年金受給額の増える方への改定です。働くことによる年金カットを減らします、代わりにもっと働いてくださいという意図ですが、増える事は大歓迎ですね。

今回の恩恵にあずかれない方も多いと思います。特別支給の老齢厚生年金制度を出す時に創って欲しかったですね。

これからも頭の痛い税制改正はしょっちゅうあると思いますので、丁寧に見ていきたいと思います。

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