SBI証券では、従来、クレジットカード決済ができませんでしたが、2021年6月30日から三井住友カードで条件付きではありますが、クレジットカード決済ができるようになります。既に楽天カードからのクレジットカード決済が可能な楽天証券等のサービスと比較して概要を説明します。
SBI証券と三井住友カードの連携
SBI証券の積立投資信託が三井住友カードでクレジット決済できるようになるとのプレスリリースが、2021年2月5日にありました。また、同時にSBI証券の取引に応じてSMBCグループの共通ポイントであるVポイントが貯まる「Vポイントサービス」が実施されるとの発表もありました。
楽天証券では、既に楽天カード決済で投資信託が購入できましたので、この点、SBI証券は不利だと思っていましたので、SMBCグループとSBI証券を利用されている方にとっては朗報です。
サービス開始は、2021年6月30日(水)からです。従来のSBI証券のサービス、楽天証券のサービス等と比較しながら概要を説明します。
SBI証券と楽天証券の比較
次の表は、クレジットカード決済とポイント付与に係る主な項目について、SBI証券と楽天証券で比較したものです。
SBI証券は、三井住友カード経由の場合(SBI証券※三井住友カード経由)と三井住友カード経由以外(SBI証券※左記経由以外)の2列に分けています。
各項目について説明します。
種類
投資信託等を購入して貯めたり、使ったりする対象ポイントの名称です。Vポイントとは、SMBCグループの共通ポイントの名称です。
カード決済max
クレジットカード決済可能な利用金額の月当たりの上限です。SBI証券、楽天証券共に5万円/月が上限になります。
カード決済でのポイント付与率
クレジットカードで決済した場合のポイント付与率です。SBI証券(※三井住友カード経由)は0.5%、楽天証券は1.0%と楽天証券の方が良い値です。
クレジットカード決済の月額上限は5万円と決まっていますので、目一杯利用すると、SBI証券では250円/月相当、楽天証券では500円/月相当のポイントが付与されます。
株式手数料
これはクレジットカード決済とは関係がありません。証券口座引き落とし等で株式等を購入した場合の手数料に対してのポイント付与率です。
単純にはSBI証券の方が良い率なのです。ただし、投資信託ではノーロード(売買手数料無料)がありますし、株式でも100万円以下買付手数料無料等々のサービスがありますので、どれだけ効果があるかは疑問です。小さい事にこしたことはありませんが。
投資信託
投資信託の年間保有額に応じて付与されるポイントの率です。例えば、年間100万円相当の投資信託を保有していたと仮定すると、SBI証券では1,000円相当、楽天証券では40円相当のポイントが付与されます。
これは、SBI証券の方が大変良い値になっています。
ポイント付与を考える場合は、カード決済でのポイント付与率も一緒に考えるべきですが、SBI証券でもカード決済でポイントが付くようになりましたので、このメリットは大きいと思います。
金・プラチナ等手数料
各証券とも同じで手数料の1.0%がポイント付加されます。
新規口座開設
各証券とも同じで新規の証券口座開設で100ポイントが付加されます。
国内株式入庫
他の証券会社から各証券へ国内株式を移す事で、1回当り100ポイントが付加されます。
ポイント投資
ポイント投資とは、保有するポイントで株式や投資信託が購入できるサービスです。購入金額の一部をポイントで補う事ができ、ポイント残高が不足している場合は残りを現金で精算します。
楽天ポイントを使って、株や投資信託を買うことができるサービスです。先の証券会社同様に購入金額の一部または全額に、ポイントを利用することができます。また、ポイント残高が不足している場合は、利用可能なポイント数を利用し、残りは現金で精算します。
SBI証券のポイント投資は、投資信託だけが対象です。一方、楽天証券のポイント投資は、投資信託の他に株式の購入も可能です。
その他
SBI証券(※三井住友カード経由)は、2021年6月30日からサービス開始です。
SBI証券(※左記経由以外)では、関連する会社としてスマホに特化した「SBIネオモバイル証券」があり、ここでもTポイントが獲得できるサービスを実施しています。
楽天証券では、SPU(楽天ポイントアップサービス)という楽天ポイント獲得倍率が上がるサービスを実施しており、ポイント投資をしていると楽天市場での買物時にポイントアップされる特典があります。
これらを含めてポイント付加の比較をしてみた記事が下記サイトにありますので、ご覧ください。
Tポイント、楽天ポイント、dポイントなどを使った株式等の購入したり、証券口座が無くともバーチャル的に投資信託の運用相当ができるサービスがあります。これらを実施しているSBI証券、SBIネオモバイル証券、楽天、ドコモと連携している日興フロッ[…]
また、SBI証券、楽天証券の詳細については、次のサイトをご覧ください。
主な注意事項
今回紹介したSBI証券・三井住友カード連携に係るサービスの主な注意点は次のとおりです。
- 今回紹介したサービスは、三井住友カードのWEBサイト経由でSBI証券口座を開設したユーザで、かつVポイント対象カードを保有しているユーザ専用のサービスです。このため、既にSBI証券口座を開設済の方は上記表の「SBI証券※左記経由」の列のサービスになります。
- 一部の提携カード、デビットカード、プリペイドカードなどは対象外です。例えば「Amazon MasterCardクラシック」は三井住友カードが発行していますが、本サービスの対象外です。
- Vポイントを付与するためには、SBI証券サイトにて「Vポイントサービス」の登録が必要となります。現状では、Tポイントが貯まる設定をしていると思いますが、T ポイントとの併用はできません。
さいごに
SBI証券は、ネット証券としては国内最大手です。一方の楽天証券は、楽天産業圏の中核として楽天ポイントを有効に活用して利用者を増やしていますので、最近ではだいぶ楽天証券に追い上げられてきていると感じていました。
クレジットカード決済にしてもSBI証券が物足りないと考えていましたので、今回の三井住友カードとの連携は朗報だと思います。ただ、既存のSBI証券利用者にとっては、そのメリットを享受する事ができませんので、中途半端な印象です。
引き続き、利用者にとって使い勝手のよい改善に期待していきたいと思います。
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