投資信託とETFの積立効果の比較、ETF手数料無料でも。。。

買付手数料無料のETFが出てきており、積立投資信託との差異が分かり辛くなってきています。そこで、連動する指数が日経平均と米国S&P500の商品を、各々積み立てた場合の両者を比較して見ました。結果は、若干ETFが良いのですが、この程度の差であれば手間のかからない積立投資信託の方が良いように思います。この結果を説明します。

選んだ投資商品

比較対象の商品は、次のように決めました。

  • ノーロード(売買手数料無料)で最も低い信託報酬率(保有している限り課せられる経費、保有手数料のイメージです)のもの
  • 日本市場の代表として日経平均225指数に連動するもの、米国市場代表としてS&P500指数に連動するもの
  • 上記に合うインデックス型投資信託を基に、同様のETF(上場投資信託)を選択

これらを考慮して選択した商品を次に説明します。

日経平均225指数に連動するもの

選んだ日経平均225指数に連動する投資商品は次のとおりです。ETFは、上場投資信託といわれるもので、株式同様に東証等の市場で売買できるものです。信託報酬率は税込、分配利回りは現時点の実績です。

投資信託とETFの比較(日経平均)

eMAXIS Slim国内株式(日経平均)は、三菱UFJ国際投信が運用しているノーロード、インデックス型の投資信託で、日経平均225指数に連動しています。 eMAXIS Slimシリーズは、業界最低水準の運用コストが謳い文句で信託報酬率は最も低い数値になっています。また、分配金は自動的に再投資に回りますので、複利効果があります。

iシェアーズ・コア日経平均ETFは、世界最大の資産運用会社であるブラックロックが運用しているETFで、日経平均225指数に連動しています。信託報酬率はこのクラスでは最も低いのですが、ETFなので分配金は自動的に再投資できません。その点、複利効果が低くなります。

また、買付手数料は無料ですが、売却手数料が必要です。表の下に※印で例が記載されています。

米国S&P500指数に連動するもの

選んだ米国S&P500指数に連動する投資商品は次のとおりです。

投資信託とETFの比較(S&P)

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、先ほどと同様に三菱UFJ国際投信が運用しているノーロード、インデックス型の投資信託で、米国S&P500指数に連動しています。 こちらも分配金は自動的に再投資されますので複利効果が期待できます。

バンガードS&P500ETFは、世界2位の資産運用会社であるバンガード・グループ社が運用する米国S&P500指数に連動するETFです。信託報酬率はETFのこのクラスでは最も低く人気の高い商品です。現時点の分配利回りは1.85%ですが、自動的な再投資はできませんので、複利効果を狙う場合は、その分を自分で購入しなければなりません。

積立の仮定と結果

それでは、各投資商品を積み立てた場合の比較をしてみます。

積立の仮定

積立の仮定は次のとおりです。

  • 毎年100(単位は自由に設定して下さい)を20年間積み立て、途中の売却はありません
  • 運用利回りは分配金を含めて3%とし、非課税とします(つみたてNISAを活用)
  • 利息及び信託報酬率は年末に1回計算をします
  • ETF(再投資)は、分配金を自分で再度同じ銘柄を購入することです

積立の結果

日経平均225指数に連動した投資信託とETFの結果は次のとおりです。一番良い結果は、ETF(再投資)ですが投資信託とグラブ上ほとんど変わりません。

20年後の数値では、投資信託2,721に対してETF(再投資)2,732です。

投資信託とETFの推移、日経平均の場合

次のグラフは、米国S&P500指数に連動した投資信託とETFの結果です。両者の信託報酬率の差が0.0638%と日経平均225指数連動との差0.0385%より大きいので、グラフでも少し差が見えています。

でもそれでも20年後の値は、投資信託2,738に対して、ETF(再投資)2,757です。

投資信託とETFの推移、米国S&P500の場合

今回の投資信託は、分配金を自動的に再投資してくれますので、ほとんど手間がかかりません。

一方、ETFで複利効果を挙げるためには自分で分配金を投入(購入)しなければなりません。さらに引き出す際にも売却手数料が掛かります。

これらを考えると、今回の投資信託のようにノーロードで積立のできる投資信託に軍配が上がります。厳しい企業間競争により信託報酬率を上げていった結果ともいえそうです。

ETFの場合は、従来どおり、定期的な分配金を期待し、まとまった金額を預ける場合が良いようです。

さいごに

今回は、今話題になっている買付手数料無料のETFを、積立方式としては従来型の投資信託と比較してみました。

ETFや投資信託に限らず、証券会社や銀行は、 ネット系を中心に低コスト化の大波に晒されています。 今の常識が明日の非常識になりますので、目が離せません。

当事者は大変と思いますが、なんとか目を離さず、頭の体操を兼ねて付いていきたいと思います。

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