業界最安を標榜するサクッとシリーズがSBIアセットマネジメントから募集・設定・運用されています。どの程度の低コストなのかを日本株式型と純金(ゴールド)型で他のファンドと比較してみました。
サクッとシリーズとは
サクッとシリーズとは投資信託シリーズの愛称で、ファミリーファンド方式をとっています。このファミリーファンドとは、投資信託(当該ファンドをベビーファンドといいます)で集めた資金をさらにマザーファンドと呼ばれる投資信託やETF(上場投資信託)に投資し、実質的な運用をマザーファンドで行う仕組みです。
サクッとシリーズでは、有名な米国資産運用会社ブラックロック・グループが運用するiシェアーズETFをマザーファンドとしています。
現状のサクッとシリーズのラインナップは次のとおりです。
この中から、サクッと日経225、サクッとTOPIX、サクッと純金(為替ヘッジなし)の3つについて、他のファンドとの比較をしてみます。
日本株式型(日経平均225)の比較
まずは、日経平均225指数に連動する投資信託です。サクッと日経225は現在募集中(設定日2023/7/12)で純資産等はありません。
対するeMAXIS Slim国内株式(日経平均)は、三菱UFJ国際投信が手掛ける投資信託でこちらも業界最低水準の運用コストを目指すことを強調しているeMAXIS Slimシリーズの一つです。最近でも信託報酬を2023年5月11日から0.143%以内(従来0.154%以内)に引き下げました。
保有している間のコストである運用管理費用は、従来最安であったeMAXIS Slim国内株式(日経平均)の0.143%以内と比較するとサクッと日経225は0.1133%程度と更に低コストになっています。
区分 | SBI・iシェアーズ・ 日経225インデックス・ ファンド (愛称:サクッと日経225) | eMAXIS Slim国内株式(日経平均) |
---|---|---|
委託会社 | SBIアセットマネジメント | 三菱UFJ国際投信 |
設定日 | 2023/7/12 (募集中) | 2018/02/02 |
基準価額 | 10,000円 (当初申込期間) | 15,902円 |
純資産 | - | 34,200百万円 |
信託報酬 ※ベビーファンド | 0.0638% | 下記に含む |
運用管理費用 (含.信託報酬) | 0.1133%程度 | 0.143%以内 |
信託財産留保額 | 0 | 0 |
ベンチマーク | 日経平均225(配当込) | 日経平均225(配当込) |
マザーファンド | iシェアーズ・コア 日経225ETF | 日経225マザーファンド |
分配金 | 自動再投資 | 自動再投資 |
トータルリターン(3年間) | - | 14.14% |
日本株式型(TOPIX)の比較
次はTOPIX指数に連動する投資信託です。こちらにサクッとTOPIXも現在募集中(設定日2023/7/12)で純資産等はありません。
対するeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)も業界最低水準の運用コストを目指すことを強調しているeMAXIS Slimシリーズの一つです。同じく信託報酬を2023年5月11日から0.143%以内(従来0.154%以内)に引き下げました。
運用管理費用を見ると、従来最安であったeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)は0.143%以内でしたが、サクッとTOPIXは0.1133%程度と更に低コストになっています。
区分 | SBI・iシェアーズ・ TOPIXインデックス・ ファンド (愛称:サクッとTOPIX) | eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) |
---|---|---|
委託会社 | SBIアセットマネジメント | 三菱UFJ国際投信 |
設定日 | 2023/7/12 (募集中) | 2017/02/27 |
基準価額 | 10,000円 (当初申込期間) | 17,292円 |
純資産 | ー | 81,842百万円 |
信託報酬 ※ベビーファンド | 0.0638% | 下記に含む |
運用管理費用 (含.信託報酬) | 0.1133%程度 | 0.143%以内 |
信託財産留保額 | 0 | 0 |
ベンチマーク | TOPIX(配当込) | TOPIX(配当込) |
マザーファンド | iシェアーズ・コアTOPIX ETF | TOPIXマザーファンド |
分配金 | 自動再投資 | 自動再投資 |
トータルリターン(3年間) | ー | 13.40% |
純金型の比較
さいごに純金対応の投資信託の比較です。サクッと純金は設定日2023/6/8とまだ出来立てです。このため、基準価額が小さく純資産が少ない状態です。
対するSMTゴールドインデックス・オープン(為替ヘッジなし)は、従来の投資信託の中では最低水準の運用コストです。
なお、純金対応の投資信託は分配金はありませんので、値上がり益期待のファンドです。
運用管理費用を見ると、従来低コストであったSMTゴールドインデックス・オープンは0.525
~0.675%(現時点で0.675%)でしたが、サクッと純金は0.1838%程度と更に低コストになっています。
区分 | SBI・iシェアーズ・ ゴールドファンド(為替ヘッジなし) (愛称:サクッと純金) | SMTゴールドインデックス・オープン(為替ヘッジなし) |
---|---|---|
委託会社 | SBIアセットマネジメント | 三井住友トラスト・アセットマネジメント |
設定日 | 2023/6/8 | 2017/11/28 |
基準価額 | 10,122円 | 17,526円 |
純資産 | 378百万円 | 5,024百万 |
信託報酬 ※ベビーファンド | 0.0638% | 0.275% |
運用管理費用 (含.信託報酬) | 0.1838%程度 | 0.525 ~0.675% |
信託財産留保額 | 0 | 0 |
ベンチマーク | LBMA金価格 (円換算ベース) | LBMA金価格 (円換算ベース) |
マザーファンド | iシェアーズ・フィジカル・ゴールド ETC | iShares Gold Trust ETF等 |
分配金 | ー | ー |
トータルリターン(3年間) | ー | 13.14% |
雑感
同様の指数に連動するインデックスタイプの投資信託では、指数自体パフォーマンスに差がありませんので、少しでも運用成績を上げようとした場合、極力運用管理費用の低いファンドを選ぶ事が大切です。
このため、今回紹介したSBIアセットマネジメントのサクッとシリーズは、現時点では最安の運用管理費用となっており、これから積み立て等を行う場合は第一候補になる商品です。
ただし、現時点では販売がSBI証券だけのため、これから楽天証券等他の証券会社でも販売できるかが一つのキーポイントになると思われます。
また、注目したいのはeMAXIS Slimシリーズを有する三菱UFJ国際投信の動きです。eMAXIS Slimシリーズは、今まで業界最低水準の運用コストを目指すことを強調して純資産を順調に伸ばしていましたので、運用管理費用を更に引き下げてくるかもしれません。
さいごに
日本株式型および純金対応のサクッとシリーズについて他ファンドと比較してみました。運用管理費用が低く抑えており、NISAを含めて積立運用するには有望な投資信託だと思います。
私の場合は、楽天証券でNISAを運用しており、残念ながらNISAではサクッとシリーズを購入する事ができません。早く楽天証券でもこのシリーズを購入可能にしていただきたいと思います。
来年1月から新NISAが開始されます。これを受けて各社いろいろな動きが始まっています。最近ではNTT株式の1:25分割もその一つだと思います。
三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズも5月に運用管費用を引き下げたばかりですが、サクッとシリーズの販売開始を受けて、更に引き下げてくるかもしれません。
恐らく来年からの新NISA開始に向けて、三菱UFJ国際投信以外の他社も含めてなんらか動きがありそうな気配ですので、引き続き注視していきたいと思います。
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