分配金と値上がり期待の米ドル運用方法の一例

FRBの政策金利上げ継続により米国株式市場の不安定が続いており、一旦売却して米ドルを保有している人も多いと思います。次のチャンスに備えて何に狙いを絞るか考える良い時期ですが、個別株式はリスクが大きいので株式型ETFを検討してみたいと思います。

分配金と値上がり期待の銘柄候補

不安定な状況とはいえ、分配金と値上がり期待となるとやはり米国株式市場となります。そこで、米国ETFの中から、比較的米国株式の全体をカバーする指数連動型で、かつ配当についてもある程度期待できる銘柄を観たいと思います。

主な米国ETFの利回りと経費率

次の表は、米国市場連動型、S&P500指数連動型、NASDAQ100指数連動型、S&P500高配当銘柄指数連動型から、VTI、VOO、QQQ、VYM、SPYDについて利回りと経費率を比較したものです。特に利回りではSPYDの4.11%というのが目を引きます。

銘柄名Ticker連動指数利回り(%)経費率(%)
バンガード・トータル ワールド ストックETFVTICRSP US Total Stock Market TR1.650.03
バンガード・S&P500 ETFVOOS&P 500 TR1.690.03
インベスコQQQトラスト シリーズ1 ETFQQQNASDAQ 100 TR0.760.20
バンガード米国高配当株式ETFVYMFTSE High Dividend Yield TR USD3.060.06
SPDR・S&P500高配当株式ETFSPYDS&P 500 High Dividend TR USD4.170.07
※SBI証券から抜粋(2022.11.4現在)

相対チャート比較

次の図は、上記の米国ETFの1年間の相対チャートです。政策金利上昇等により株式市場の下落傾向が続いています。この中でもNASDAQ100(QQQ)の下落率が比較的最も大きく、高配当ETF(VYM、SPYD)銘柄の下落率が小さくなっています。

【主な米国ETFの相対比較(1年間)】※Google Financeから抜粋(2022.11.3)

次は、同じ米国ETFの5年間の相対チャートです。少し長い目で見ると、先ほどの1年間と異なり(反対に)、NASDAQ100(QQQ)の上昇率が最も大きく、高配当ETF(VYM、SPYD)銘柄の上昇率が小さくなっています。

【主な米国ETFの相対比較(5年間)】※Google Financeから抜粋(2022.11.3)

目的により異なる米国ETF

値上がりを期待するか、それとも分配金を期待するかで明らかに購入する米国ETFは異なることがわかりました。自分の嗜好にもよりますが、長期運用するか/短期運用するかで変わりそうです。例えば次のようになるのでしょうか。

主に期待する事銘柄候補例えばこのような人
分配金SPYD、VYM定年後の人、安定を好む人
値上り益QQQ、VOO、VTI投資期間に余裕のある人

買付手数料無料の米国ETF

米国ETFでは、証券会社により買付手数料無料キャンペーンを実施している銘柄があります。次の表は、SBI証券と楽天証券の買付手数料無料の米国ETF銘柄です。

SBI証券で10銘柄、楽天証券で同じ10銘柄に加えて5銘柄の計15銘柄が買付手数料が無料です。これらの銘柄であれば、手数料のことを考えないで買付できますので、定期積立購入でも良いと思います。

先に銘柄候補の内、VYM以外はこの表に載っており、買付手数料無料で購入できます。

【SBI証券と楽天証券の買付手数料無料の米国ETF】

さいごに

米国株価低迷により、個別の米国株式を一旦売却し、手元に米ドル資金を保有されている人も多いのではないかと思います。その米ドル資金を次に何に投資していくかですが、やはり落ち着いたところで米国株式かなと考えています。しかし、個別株式ではリスクが大きくなりますので、チャンスが来たら米国株式に広く連動するETFを購入して最低でも5年以上保有していきたいと考えています。

このチャンスを見極めるのが、難しいですね。そうなると定期積立等の分散購入でも良いと思いますし、利回りの高い銘柄であれば失敗も少ないと思いますので、少しは出動していこうと考えています。

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