同じ指数に連動する投資信託と米国ETFの比較、S&P500の場合

ネット証券を中心に米国ETFの買付手数料が一部銘柄について無料にするサービスが増えています。積立により資産形成する事は投資信託でよくある方法ですが、ETFの場合はどうなのでしょうか。S&P500指数に連動する投資信託と米国ETFで積み立てた場合の受取額の比較をしてみました。

比較対象

投資信託と米国ETF(上場投資信託)を比較する上では、同じ指数に連動する銘柄でみないと意味がありませんので、歴史があり、リターンも良いS&P500に連動する銘柄で行います。

候補となる投資信託と米国ETFは次のとおりです。

S&P500指数連動銘柄の候補
【S&P500指数連動銘柄の候補】

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、ノーロード(売買手数料無料)で管理費用が安い eMAXIS Slimシリーズに一つで三菱UFJ国際信託が運営しています。

ETFは、日本市場に上場している銘柄は出来高が少なく、管理費用が高めですので、米国ETFの銘柄を対象にします。対象に米国ETFとしては2点あげました。バンガード・S&P500 ETFは、管理費用が安い事で有名なバンガード社のETFです。また、SPDR S&P500 ETFは、 S&P500に連動するETFでは最も歴史のある銘柄です。

ここで、各銘柄共にS&P500に連動するので伸び率等は同じ傾向にあると仮定して平均リターン(年率のリターン、以下リターンといいます)を修正します。

リターンには管理費用や分配利回りが反映されていますので、最も設定期間が長い SPDR S&P500 ETFのリターン10.47%とバンガード・S&P500 ETFの安い管理費用0.030%(つまり期間が長くなると SPDR S&P500 ETFのリターン と同じになるという仮定)を基に投資信託のリターンを修正し、次の値を比較計算に使っていきます。

  • 投資信託のリターン:10.40%(=10.47%-(0.0968%-0.030%))
  • 米国ETFのリターン:10.47%

米国ETFの手数料

米国ETFは管理費用が安く、かつ出来高が大きいので売れ残りの心配はあまりなのですが、反面、売付手数料(今回の銘柄では買付手数料は無料)と、円⇔ドル交換の為替手数料が必要です。

外貨に強いSBI証券(+住信SBIネット銀行)を利用すると仮定すると売付手数料と為替手数料は次のようになります。

売付手数料

SBI証券の場合、約定代金の 0.495% (税込)で上限手数料は22ドル(税込)です。 約定代金が2.02米ドル以下の場合は売付手数料0ドルですが、今回は対象外です。

為替手数料

住信SBIネット銀行を活用すると1ドル4銭で交換できます。SBI証券を利用する場合、住信SBIネット銀行と自動スイープ(証券銀行間の口座間で自動入出金かつ利息優遇:ハイブリッド預金といいます)機能がありますので、 住信SBIネット銀行で口座開設しておくとメリットが大きいです。

さらに、住信SBIネット銀行の外貨建口座からSBI証券の外貨建口座へ手数料無料で入出金できます。SBI証券でドル円交換を行うと25銭/ドルですので、今回はドル円交換は住信SBIネット銀行を利用すると仮定します。

SBI証券等の詳細については、次のサイトをご覧ください。

→SBI証券公式サイトを見る

投資信託と米国ETFの比較

それでは、いままで説明してきた事を基に次のように仮定して投資信託と米国ETFの評価額を比較してみたいと思います。

仮定

  • リターン
    • 投資信託のリターン:10.40%
    • 米国ETFのリターン:10.47%
  • 積立額:毎年100万円
  • 評価額の計算方法:前年保有額×(1+リターン)+当年積立額×(1+リターン/2)
  • 比較方法:経過年まで積立てを続けてその年の最後に全て売却・受取る。

ここで積立額は毎年100万円としていますので、ご自身に合った数値で見直してください。毎年10万円ならば評価額は1/10になります。

また、評価額の計算方法は、月毎に計算するともう少し正確になるのですが、数式を簡単にしましたので、誤差があります。傾向を捉まえるという点では問題ないと思います。

比較結果

少し悪乗りして100万円/年を20年間積立てた場合で計算してみました。次のグラフがその結果です。単純に積み立てた額が灰色線で、これに対して投資信託の場合が青色棒米国ETFの場合がオレンジ色棒です。

投資信託も米国ETFもリターン10%強ですので、その複利効果は大きいです。しかし、 投資信託と米国ETFに比較で見るとその評価額にあまり差がありません。

投資信託と米国ETFの経過年数後受取額の比較
【投資信託と米国ETFの受取額の比較】

グラフでは差異がよく分かりませんでしたので、いくつかの経過年数での手数料や受取額等を数値で現したのが次の表です。

投資信託と米国ETFの経過年数後受取額数値の比較
【投資信託と米国ETFの受取額数値の比較】

投資信託の場合は、ノーロード(手数料無料)で為替の影響もリターンに反映されていますので単純に計算するだけです。

米国ETFの場合は、買付手数料無料ですが、売付手数料は上限の2,420円(=22ドル×110円/ドル)です。また、購入時には「円→ドル」交換の為替手数料が、売却時には「ドル→円」交換の為替手数料が発生します。

投資信託と米国ETFのリターンの差は、米国ETFの方が0.07%良い程度でした。これに売付手数料と為替手数料が引かれますので、さらに差が小さくなっています。

留意点

まとめると次のとおりです。

  • 経過年数4年以降で、米国ETFの方が少し受取額が多くなる程度であり、それほど大きな差異はありません。
  • 米国ETFでは、その都度、為替交換(購入時の例:住信SBIネット銀行で交換→SBI証券にドルを移管→SBI証券で購入)を行わなければなりませんが、投資信託はただ積立設定をしておくだけです。
  • 同じ指数に連動する投資信託と米国ETFでは、手間を考えると投資信託の方が優れています
  • 米国ETFを購入するのは、同じ指数に連動する投資信託が無い場合に考えた方が良いです。
  • 大きな円高が訪れた時(例えば1ドル100円以下とか)、まとめてドルに交換しておいて、米国ETFを購入することも一選択肢です。

さいごに

今回の比較では、投資信託に軍配が上がりましたが、米国ETFも捨てがたい魅力があります。米国ETFを有効活用するには、同じ指数に連動する投資信託が無い場合や円高の際に保有資金をドルに交換しておき、そのドルで米国EFT(又は個別株)を購入しておく場合などが考えられます。

また、円高の時にドルに交換する方法もFX(外国為替証拠金取引、現引できる証券会社)を活用する事でさらに交換費用が一桁下がりますので、大きなお金を動かく際に有効です。

投資信託を積み立てるのは簡単でとても良いのですが、退屈が玉にきずです。このため、円高のチャンスが来たらドルに交換しておく、そのために資金に余力を持たせておく事が肝心です。ついつい調子に乗って保有資金を全て投資に回してしますということは避けたいものです。

===↓ブログ村ランキングに参加しています。
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 心地よい暮らしへ
にほんブログ村

楽天市場
5



投資信託と米国ETFの比較では、投資信託の方が良い
白ノ葉ブログの最新情報をチェック!