あなたの家計の収支がわかりますか、ライフプランのための現状把握のすすめ

ライフプランを立てる上で、まずは家計の現状把握が必要です。これを基に力を入れるところや削減できる事が見えてきます。次のステップのために、我が家の可処分所得を明確にし、損益計算表(PL)、バランスシート(BS)を作成してみましょう。

我が家の現状把握の必要性

奥さんなどが家計簿をつけている家庭もあると思いますが、なんとなくその場凌ぎのようで揉める原因にもなっているのではないでしょうか(うちもそうです)。

いつまで命があるか分かりませんが、最後まで経済的に安心するためには、勤めてから終えるまでのキャッシュフロー表があると、投資の効果や事前対策の必要性等が分かりなにかと便利です。

最初からキャッシュフロー表を作成しても良いのですが、いろいろと調べなければならず、少々面倒です

このため、まずは、家計の可処分所得を明確にして、損益計算表(PL)やバランスシート(BS)を作成してみてはいかがでしょうか。

PLやBSを作成しておくと、スマートですし、なにより改善検討の基になります。しかも、キャッシュフロー表を作成する時にも活用する事ができます。

今後の計画や対策を考えるために、まずは我が家の可処分所得を明確にし、PL、BSを作成してみましょう

可処分所得の明確化

年収は、税金や社会保険料が含まれています

税金としては、所得税や住民税等があります。所得税は、会社勤めの場合、年末にもらう源泉徴収票に記載されています。住民税の場合は6月頃に送られてくる「市民税・県民税 特別徴収税額の通知書」に記載されています。

社会保険料は、国民年金保険や厚生年金保険等の公的年金、健康保険料、雇用保険料などで、これも会社勤めの方は「源泉徴収票」に記載されています。

可処分所得の把握
【可処分所得】

可処分所得とは、年収から税金や社会保険料を差し引いた金額で、いわゆる「手取り」と言っているものです。これで生活をやり繰りしなければなりません。式は次のとおりです。

  • 可処分所得=年収-(税金+社会保険料)

損益計算表の作成

可処分所得(手取り)が分かったところで、次はPL(損益計算表)を作成してみましょう

次の図は、年収540万円、左側が費用(支出)、右側が売上となるところですが、この年収から公的負担(税金、社会保険料)を差し引いて可処分所得が出てきます。

この可処分所得から、各費用と貯蓄額に割り振っています。この表は、毎年恒常的にかかる費用になっていますが、マイホームの頭金等一次的支出がある年があります。

この一次支出は、別途把握して、下記の恒常的費用として入れ込んだり、別表で管理する必要がありますが、今回は無しで扱います

なお、費用項目や金額は適当ですので、ご自身にあったものに直して作成して見てください。

損益計算書(PL)の一例
【損益計算表(PL)の一例】

バランスシートの作成

バランスシートを作成すると、我が家の資産と負債のバランスが分かります

次の表は、家庭におけるバランスシートの一例です。項目は代表的なものを、そして金額(時価で記載する)は適当ですので、これもご家庭に合った形に直してください。

この例では、資産合計3,000万円、負債合計2,140万円で、純資産残高860万円になっています。

バランスシート(BS)の一例
【バランスシート(BS)の一例】

作成する上での留意点を以下説明します。

  • 現金・通貨性預金とは、日常の買い物等で使える金額です。
  • 定期性預金とは、定期預金や積立預金等比較的下ろしづらい預金です。将来予想される一時的支出に備えるための目的もあります。
  • 有価証券(株式等)は、株式投資や投資信託などの金融商品です。
  • 住宅の価値は、地方自治体から毎年送られてくる固定資産税の納税通知書を見ると、宅地の価値が把握できます。
  • 自動車を保有されている場合は、例えば新車購入の場合、耐用年数6年間なので定率法で年毎に約1/6づつ減額する事で目安にしてみます。
  • これらの項目の他に、流動資産(預貯金等)と固定資産(不動産等)で分けるとか、奥さん管理の手堅い財産(預貯金・債券等)と旦那さんが管理するリスクのある財産(株式投資等)とに分かるとか色々な方法があると思いますので、各家庭で管理しやすい方法で作成して見てください。

検討すべき事項

PLとBSを作成したところで考えるべき主なポイントを記載します。

PLでの留意点

  • 費用配分の見直し:PLの左側の費用が苦しい場合は、費用配分の見直ししかありません。年代により費用配分比率が変わってきますので、何に重点を置くで考えましょう。可処分所得(右側)は基本的には動かせませんので。
  • ボーナス時の補填部分は入っているか:もしもこの表の中に宅地の固定資産税支払い等が入っていない場合は、ボーナス用のPL(または一緒にしたPL)を作成して計画的に手当しましょう。
  • 日頃からの課税意識:公的負担はほとんど動かせませんが、医療費控除、配当所得の課税方法選択(源泉課税又は総合課税)、配偶者特別控除等、適切に課税される事で、少しは税金が少なくなる可能性もあります。日頃より税控除等に心掛けておく事も重要だと思います。

BSでの留意点

  • 純資産残高:ここがマイナスになっている方はまずいないと思いますが、マイナスの場合は「債務超過」の状態ですので早期に改善する必要があります。そのようにならないために、特に住宅ローンを組む人は、事前にこのようなBSを作成し、見極めておく事も重要だと思います。
  • 資産形成と運用:財産を形成する努力は、将来に向けて大切な事です。日常の生活費は、現金・通貨性預金で手当し、資産形成のためにリスクの低い「定期性預金」とリスクが高いがリターンもほどほどにある「有価証券(株式、投資信託等)」を組合せて自分に合った運用を考えてください。
  • 負債合計:年に1度ぐらいはBSを見直し、特に住宅ローンが大きい場合は、「定期性預金」や「有価証券(株式等)」に余力があれば取り崩し住宅ローンの繰り上げ返済を行い早く債務を圧縮して、定年前には完済するように考えてください。定年度の年金生活が少し楽になります。

資産形成については、次の記事でもまとめていますので、よろしければご覧ください。

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さいごに

家計のPLやBSの作成について説明しました。これでご自身の家計の概要が把握できたと思います。可能であれば、次には余力のある時にでもキャッシュフロー表を作成されることをお勧めします

キャッシュフロー表を作成する事により、生涯にわたる家計の収支が明確になります。これにより、少なくともお金の面では老後の安心に繋がりますので、作成が必須だと考えています。

キャッシュフロー表については、下記にまとめていますので、よろしければご覧ください。

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この記事がご参考になれば幸いです。

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