政府から緊急経済対策が矢継ぎ早に発表され、早急な日本経済の復活が望まれています。この国難に臨み、国費投入は必要な事ですが、最終的には我々国民の税金で賄わなければなりません。これから課せられるであろう増税額について予想してみます。
新型コロナウイルス感染症緊急経済対策
安倍首相が、新型コロナウイルス感染拡大を受けた追加経済対策を 5月27日に発表されました。今までの予算を含めると事業規模は総額233兆円というすごい数字です。
特別定額給付金や持続化給付金などで行政の遅れが問題視されていますが、政府としても真剣に考えてくれているようです。
しかし、最終的には、これらの対策費用は国民の税金で手当をしなければなりませんので、どの程度になるのかを、東日本大震災の復興費と比べて予想してみました。
単純に比例している粗い予想です。これからも金額が変わると思いますので、その場合はそれに合わせるとか適当に修正していただければ良いと思います。
東日本大震災の復興のため
復興のための予算規模
東日本大震災への復旧予算規模は事業費25兆円程度です。この他に東京電力が負担する原子力損害賠償法に基づく事業者金7.9兆円がありますが、これは除きます。
復興のための増税額
東日本大震災の復興のため、所得税と住民税が増税されています。
所得税では、復興特別所得税という名称が出来て元々の所得税額に2.1%の税率が課せられます。期間は、2013年1月1日から2037年12月31日までの25年間です。
住民税では、住民税の「均等割」部分が増額されており、都道府県民税が「1,000円→1,500円」、市町村民税が「3,000円→3,500円」で合計1,000円増えています。期間は、2014年度~2023年度までの10年間です。
増税額の例
例えば、仮定で復興特別所得税額を試算すると次のとおりです。
- 給与収入(のみ):400万円
- 給与所得控除後の給与等(国税庁の速算表から):266万円
- 社会保険料控除:64万円
- 課税所得:266万円-64万円=202万円
- 所得税(国税庁の速算表から):202万円×10%-97,500円=104,500円
- 復興特別所得税:104,500円×2.1%=2,194円
住民税は、1,000円の増税でしたので、この場合の増税額は3,194円(2,194円+ 1,000円)となります。
自分の給与明細があるともっと正確な値が得られます。その場合は、下記の記事もご覧ください。もう少し詳しい説明が載っています。
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試算してみると
対策予算規模の比較
各々比較してみます。東日本大震災復興費は25兆円、 新型コロナウイルス緊急対策費233兆円ですので、 新型コロナウイルス緊急対策費は東日本大震災復興費の約9.3倍です。
予想される増税額
この9.3倍を先ほど仮定した東日本大震災での増税額3,194円で対応させると約29,700円(≒3,194円×9.3)となります。期間も同じ、所得税で25年間、住民税で10年間です。
その他の影響
実は、復興特別所得税はふるさと納税にも少し影響を与えています。ふるさと納税をするとその納税額から2,000円引いた額が控除されると言われていますが、実際の控除額はわずかですが少ない額になります(多分多くの方は100円に満たないと思います)。このようなところにも影響があるんですね。
ご興味があれば下記記事をご覧ください。
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さいごに
何十年かに一度の国難ですので、皆で何とかしなければなりません。日本復活の費用も、私たち国民が負担しなけれなりません。ただ気になるのが、日本の借金です。いままでの国の借金に加えて、さらに借金が膨らむことになります。
これを考えると政府は益々、インフレ政策を推し進める可能性があります。インフレによりお金の価値が低くなっても大丈夫なよう、現金だけではなく、現物(株式、金、不動産等)にも分散して保有すべきと考えています。
自分達の財産を守るため、 今から必要な手を打ち、安心な生活を送れるように考えていきたいと思います。
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